先日行われたパリオリンピック男子100m決勝では、ゴール直後の写真判定者が7名に上り、大混戦となりました。
世界陸連によると、9秒台の選手が決勝に進めないのは五輪史上初めてのことです。
サニブラウン選手は「(日本記録の)9秒95を切ることを想定した」と発言していましたが、彼の狙いは決して的外れではなく、世界のトップスプリンターたちはその想定をさらに上回る結果を出しました。
今回は、パリオリンピック2024男子100m決勝における分析を実施したいと思います。
100m上位3名のリアクションタイムは次の通りです:
1位 ライルズ選手 0.178秒
2位 トンプソン選手 0.176秒
3位 カーリー選手 0.108秒
カーリー選手の好スタートが目立ちました。
一方、100mにおける「スタートが遅れる影響」を考えました。
スタートが遅れることで以下のような影響があります:
- レース全体のタイムに直接影響する。
- 心理的プレッシャーとなり、レース中に焦りが生じ、フォームを崩す可能性がある。
- トップスピードへの到達タイムにも影響する。
現に100mなどの短距離種目における選手たちの多くがスタート練習に重点を置いています。
がしかし、今回のデータを見るに、スタートのリアクションタイムの向上だけが100mのパフォーマンスに大きく影響するわけではありません。
カーリー選手は抜群のスタートを切りましたが、0.07秒リアクションタイムの遅いライルズ選手・トンプソン選手の方が先着しています。
しかし、リアクションタイムの遅れがレースの勝敗に影響を及ぼすことも考えられるため、1週間の練習の中でスタート練習にどれだけ時間を割くかは各選手が考える必要があります。
このことから、以下の能力が必須であることが分かります:
- トップスピード能力の向上
- 長くトップスピードを維持できる能力
ウォーミングアップや大会前のトレーニングの調整、日々のトレーニングのあり方も個々に合ったものを実施し、考え直す必要があります。
まとめると、自身の利点と課題を明確にし、それに応じて特性に合わせたトレーニングプランの構築や最適なアプローチがパフォーマンスの最大化に繋がることがこのデータからも分かります。
日々のトレーニングや選手に対するコーチングに反映していきたいと思います。
良い練習ができても怪我をしては最大パフォーマンスを発揮できませんので、コンディション管理にも注力してください。
UACAでは特にアスリートコースで個々の特性に合わせたトレーニングを行っています。
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