短距離種目では、爆発的なスピードだけでなく、「どれだけ速いペースを維持し続けられるか」が重要です。そこで役立つのがテンポ走。
本記事では、テンポ走の基本的な考え方や練習メニュー例を交えながら、その魅力と活用法を解説します。
目次
1. テンポ走とは?
テンポ走とは、最大スピードの100%ではなく、60~90%程度のサブマックス(やや余裕のある強度)で連続的・反復的に走り、心肺機能や筋持久力を高めるトレーニングのことです。
• 目的
• スピード持久力の向上
• レース終盤までフォームを崩さない筋力・心肺力の養成
• 疲労回復を促す“アクティブ・リカバリー”の一部として利用可能
• 特性
• 全力疾走ほどの負荷ではないため、筋肉や関節へのダメージが比較的少ない
• 細かなフォーム修正を意識しながら繰り返し走れる
2. 短距離走におけるテンポ走のメリット
(1) 疲労回復とフォーム維持
• 全力疾走は身体に大きな負荷がかかるため、毎日繰り返すのは難しいですが、テンポ走は強度が抑えめなので、アクティブ・リカバリーとして取り入れやすいです。
• 疲れている状態でも「ある程度の質」を保って走れるため、フォームの再確認にも最適。「腕振り」「足の接地」「身体の前傾姿勢」などを意識しながら走ることで、レースペースに近い動作をキープしやすくなります。
(2) スピード持久力の向上
• 短距離走(100m、200mなど)で大切なのは、トップスピードをどれだけ維持できるかという点。
• テンポ走では、少し余力を残したスピードで繰り返し走ることで、乳酸耐性や心肺機能を高め、後半の粘り強さを養います。
(3) 心身のリズムづくり
• テンポ走は、一定のペースとリカバリー時間を繰り返すため、ランニングのリズム感や呼吸のタイミングを身につけやすいトレーニングでもあります。
• レース本番でも、スタートから中盤にかけての走りのリズム感を安定させることは、タイムを安定させるうえで大きな武器になります。
3. テンポ走の練習例
ここでは、短距離アスリート向けのテンポ走メニューをいくつかご紹介します。強度や回数は自分のレベルに合わせて調整してください。
(1) 100m×10本(レスト:インターバル jog 50m)
• 概要: 100mを70~80%の力で走り、50mのジョグでつないで次のダッシュへ。
• 目的: 短い距離の反復でフォーム確認&心肺機能向上。
• ポイント: 各本ごとにフォームが乱れないよう集中し、同じタイムを維持する。
(2) 200m×5~6本
• 概要: 200mをやや余裕を残した速さで走り、1~2分休憩して繰り返す。
• 目的: 100mと比べて長めの距離で、後半の粘り強さや乳酸耐性を鍛える。
• ポイント: 前半のスピードを出しすぎないようにし、最後までペースを落とさず走りきる。
(3) グループ形式テンポ走(リレー感覚)
• 概要: 3~4人のグループで順番に200mや150mを走り、走り終わったら仲間にバトンを渡すような感覚で繰り返す。
• 目的: チームメイトとテンポを合わせることで、リレー種目の連携やペース管理にも活きる。
• ポイント: 協力しながら、決めたペースを守ることを第一に。
4. テンポ走を安全&効果的に行うための注意点
1. ウォーミングアップ&クールダウンを丁寧に
• テンポ走とはいえ、ある程度のスピードを出すトレーニング。動的ストレッチや基礎ドリルでしっかり体を温めたうえで始めましょう。
• 終了後は軽いジョグや静的ストレッチで筋肉と関節をいたわる。
2. 強度の管理
• テンポ走の目的は「全力ダッシュ」ではないため、ペースを上げすぎないこと。
• 心拍数やタイムをチェックし、狙った強度(70~80%)をキープできるよう調整する。
3. 疲労度を見極めて調整
• 他のハードなトレーニング(インターバル走・ウェイトなど)と組み合わせる場合は、週の中でうまく配分を考慮。
• 疲労が蓄積しすぎているとフォームが乱れてしまうので、疲れ具合を感じたら本数を減らすなど柔軟に対応しましょう。
5. まとめ
短距離アスリートにとって、テンポ走はスピード持久力の強化とフォームの安定に大きく貢献するメニューです。
トップスピードのトレーニングだけではなく、少し力を抑えたペース走を取り入れることで、心肺機能や乳酸耐性の向上、フォームの確認・修正といった多面的な効果が得られます。
ぜひオフシーズンやベースづくりの時期にテンポ走を上手に組み込んで、レース本番の爆発的な走りにつなげてみてください!
UACAでも、短距離種目のテンポ走トレーニングを効果的に取り入れています。
ここでは語っていない走る設定タイムの計算方法など選手ごとに細かく設定しております。
興味のある方はぜひ一度体験しに来てください。目標や専門種目に合わせたサポートで、一緒にタイムを伸ばしましょう!
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