陸上競技の短距離種目では、**「スピード」と「パワー」**が大きな鍵となります。一見すると「走り込みばかり」と思われがちですが、実はウェイトトレーニングや自重トレーニングなど、さまざまな筋力強化メニューが欠かせません。今回は、短距離に特化した筋トレに関して、よくある疑問にお答えします!
目次
Q1. 「短距離選手に筋トレは本当に必要?」
A1. 必要です!
爆発的なスタートや加速、トップスピードの維持には、瞬発力+筋力が大きく影響します。筋トレで下半身だけでなく上半身・体幹も強化することで、フォームのブレを減らし、記録向上に繋げられます。
ポイント
• 下半身強化:スタートダッシュや踏切の爆発力UP
• 上半身強化:腕振りの推進力向上、フォーム安定
• 体幹強化:左右・上下動のブレ防止
Q2. 「どんな種類のトレーニングが効果的?」
A2. 短距離には、スピード系ウェイトトレとプライオメトリクスがオススメ!
1. ウェイトトレーニング(スピード重視)
• パワークリーン:バーベルを地面から一気に引き上げる動作で、下半身と上半身の連動・爆発力を養う。
• スクワット(ハーフ・フル):主に下半身全体を強化。短距離なら「重すぎない負荷で速い動作」も取り入れ、反動スピードを意識。
• ヒップスラスト:お尻とハムストリングへの刺激が大きく、加速力に直結。
2. プライオメトリクス(反発力を利用したトレーニング)
• ボックスジャンプ:瞬時に地面を押す力やバネを養う。
• バウンディング:もも上げとジャンプを組み合わせる動作。スプリントのストライド感覚を高める。
• ホッピング:片足・両足で連続ジャンプ。着地と踏切のタイミング強化に効果的。
Q3. 「どれくらいの頻度で筋トレすればいい?」
A3. 週に2~3回を目安に、走る練習と調整しながら行うのがベスト。
• 短距離練習がメインの場合、翌日の走りに支障が出ないように、追い込む日と緩める日をあらかじめ設定。
• 筋トレ後は筋肉痛が出やすいため、翌日がスピード練習やインターバル走ならば、負荷を抑えめにしたり、種目を分散させる工夫が必要です。
• 体の疲労度を見ながら、休息日をつくることも重要。休息日がないとオーバートレーニングになりやすく、ケガやパフォーマンス低下に繋がる可能性があります。
Q4. 「上半身のトレーニングはどの程度やればいいの?」
A4. 腕振りや姿勢維持に必要な筋力を補う程度が理想。
• 肩まわり・背筋:腕振りの支点、上半身の安定に直結。プレス系(ベンチプレス、ショルダープレス)だけでなく、ラットプルダウンやチンアップ(懸垂)で背中もしっかり鍛える。
• 胸筋・腕:腕を後ろに引く動作や瞬発的な動きに寄与。プッシュアップ(腕立て伏せ)は基礎として有効。
• 体幹トレ:上半身全体をまとめる“軸”となる部分。プランクだけでなく、バランスマットやバランスボールを使った動的トレーニングも試してみよう。
Q5. 「最大筋力を目指すのと、スピード重視の筋トレはどう違う?」
A5. 「動作スピード」の意識が大きく異なります。
• 最大筋力系:高重量を扱って、ゆっくりコントロールしながら鍛えるイメージ。筋肉自体のサイズや最大出力を伸ばしたいときに。
• スピード筋力系:中重量(最大挙上重量の30~60%程度)を素早く動かす。短時間で大きい力を発揮する神経系のトレーニングが重視される。
• 短距離選手なら、基礎として最大筋力を高めつつ、スピード筋力トレをメインにするのが理想的です。
Q6. 「筋肥大(体が大きくなる)しすぎるとスピードが落ちませんか?」
A6. 正しくトレーニング&栄養管理すれば、むしろ“効率的なパワー増加”が期待できます。
• 食事のとり方:極端な高カロリー摂取で体重増を狙うと動きが鈍くなる可能性大。短距離選手なら、高たんぱく+適度な炭水化物・脂質で“バランス”を重視。
• トレーニングの種類:ボディビル的な筋肥大目的のトレーニングとは異なり、スピード&パワー系の種目をメインにすれば、体重の増加を抑えつつ筋力を効率よく伸ばせます。
• 自分の最適体重を把握:走る時の感覚やタイムを見ながら、ベストな筋量・体重を探っていくことが大事です。
Q7. 「女子選手でも同じメニューで大丈夫?」
A7. 基本の原則は同じ!ただし個々の体力差・目的に合わせた負荷調整が必要。
• 女性は筋肉がつきにくい?
男性ほど急激に筋肥大しにくい反面、適切な負荷を与えれば筋力・スピード向上は十分可能。
• ポイント:無理に高重量へこだわらず、フォームを優先しながら段階的に重量や回数を増やしていく。重さにばかり目を向けず、“動作スピード”にもしっかり注目しましょう。
Q8. 「練習前 or 練習後、どちらに筋トレを入れたらいいの?」
A8. スピード練習を優先したいなら、通常は“練習後”or別日の設定がオススメ。
• 理由:筋トレ直後は筋疲労が溜まっており、ダッシュの質が下がる可能性が高い。
• 例:
• 月:スピードメインの日 → 終了後に短時間のウェイトトレ
• 火:リカバリーor休養
• 水:インターバルやビルドアップ → 体幹中心の補強
• 金:ウェイトトレ+軽めのダッシュ
• 日:完全休養
実際のスケジュールは、自分やチームの練習計画に合わせて微調整してください。
まとめ
• 筋トレは短距離の「走力」そのものを高める重要な要素
• 下半身だけでなく、上半身・体幹の強化も記録向上に貢献
• 週2~3回の頻度を目安に、走る練習とのバランスを意識
• スピード重視のウェイトトレ&プライオメトリクスで爆発力と加速力を強化
• 正しいフォーム&段階的な負荷アップでオーバートレーニングとケガを防ぐ
「筋トレをやっているのにタイムが伸びない…」という方は、負荷の設定や動作スピード、トレーニングの目的をもう一度見直してみてください。短距離選手の筋トレは、ただ重いものを持ち上げるだけでなく、いかに素早く力を発揮するかが重要になります。
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