陸上競技や多くのスポーツで「スプリントドリル」「フォームドリル」「動きづくり」と呼ばれるメニューは、ウォーミングアップや基礎トレーニングの一部として重要視されています。単なる準備運動のように思われがちですが、正しい動きづくりを徹底することで、走り・跳び・投げなどのパフォーマンスが大きく変わる可能性があります。ここでは、フォームドリルの効果を倍増させるためのポイントをまとめてみました。
目次
スプリントドリル(動きづくり)とは
スプリントドリルは、走行動作や跳躍動作などを細分化し、理想のフォームに近づけるための基礎的な動作練習です。たとえば、もも上げ、つま先タッチ、スキップ、アームドリルなどが挙げられます。
これらのドリルをじっくり取り組むことで、次のようなメリットが期待できます。
- 体幹を使った安定した姿勢の獲得
- 腕と脚の連動性を高める
- スピードや跳躍力につながる“推進力”の向上
- ケガ予防(動作のブレや無駄な力みを減らす)
よくあるスプリントドリルの課題
形だけ真似して、意識が伴っていない
走り方のお手本を見ても、頭の中でイメージが曖昧なままドリルを行うと、体は動いていても本来狙う筋肉・連動を使えていない場合がある。
リラックスしきれず力んでしまう
力を入れるべきところと抜くべきところのメリハリがつかず、ただ“固い”動きになってしまう。結果的に柔軟性を失い、本番の走りにも悪影響を及ぼす。
スピードや負荷を上げすぎてフォームが崩れる
ドリルの段階で“速く動こう”としすぎて基礎が疎かになり、目的とは別の動きに。特に初心者や技術に不安がある選手は、まずゆっくり正確に行うことが重要。
効果を倍増させるコツ
ドリルの“目的”を明確にする
「何のためにやるのか」を意識するだけで、動きが大きく変わります。
- もも上げ:足の引き上げ&接地の意識、骨盤の前傾角度を適正に保つ
- つま先タッチ:後脚のリカバリー動作やバランス感覚
- スキップ:弾むようなバネ感を養う、腕振りと脚の連動を高める
いずれも「形だけ」にならず、どこに筋肉や神経を意識するかを頭に入れて実行しましょう。
動画撮影やコーチのフィードバックを活用
自分の動きを客観的に見るのは意外と難しいもの。
- スマホやタブレットで撮影:スロー再生をし、腰の位置や肩の高さなどを確認。
- コーチや仲間の目:第三者が見ることで、思わぬ癖やブレが発見しやすい。
小さな修正点でも、積み重ねれば走りの効率が大きく変わります。
スロードリルとハイテンポドリルを使い分ける
- スロードリル:ゆっくり、丁寧にフォームを固める。バランスや可動域をチェックするのに最適。
- ハイテンポドリル:ある程度型が身についたら、スピードを上げて実践的な動きに近づける。
両方を行うことで、繊細なフォーム修正から競技本番に近い感覚までカバーできる。
リラックスと力の入れ所を区別する
- 肩や首の力は抜く:腕はスムーズに振りやすくなり、脚の動きにも余裕が生まれる。
- 足裏の接地感:しっかり地面を押すところでは力を入れ、その後のリカバリー動作ではふくらはぎや太もも裏を適度にリラックス。
このメリハリこそ、本番のスプリントやジャンプで必要な動きにつながる。
スプリントドリル+ゲーム感覚で楽しむ
子どもやチームで取り組む際は、鬼ごっこやリレー形式など、遊び要素をプラスすると飽きにくく、競争心と楽しさが掛け合わされて自然に動作が向上しやすい。
🔽UACAで実際に行われている様子
ドリルの例と意識ポイント
アームドリル
- 意識:肩をリラックスし、肘を後ろに引く動作を強調。前腕を大きく振り上げすぎない。
- 目的:スムーズな腕振りでリズムを作り、走り全体の推進力をアップ。
ハイニー(もも上げ)
- 意識:骨盤をやや前傾に保ち、お腹で脚を引き上げるイメージ。
- 目的:脚の回転数や地面の押し込みを意識しやすくする。
バウンディング
- 意識:着地時にしっかり地面を押し、反発を利用して前へ進む。
- 目的:弾むような動きでスプリントやジャンプのバネ感を養う。
スキップ系ドリル(Aスキップ、Bスキップなど)
- 意識:接地を素早く、股関節周りを柔らかく動かす。
- 目的:足首から股関節にかけての連動性を高め、リズム感を身につける。
などUACAでは様々なスプリントドリルを行なっています。
以下の動画でもUACAが実践するスプリントドリルの一部を紹介いたします。
よくある質問(Q&A)
Q1. 「フォームドリルは毎回やるべき?」
おすすめはウォーミングアップ時に取り入れること。短い時間でも頻度を高めると、身体に理想的な動作パターンが染みつきやすいです。
Q2. 「形がちゃんとしているかわからない」
動画撮影とコーチのフィードバックが最も効果的。チームメイトと交互に撮り合うだけでも、客観的に見直す機会が増えます。
Q3. 「柔軟性が足りなくて動きがぎこちない」
柔軟性が不十分なままで速い動きをすると、フォームが崩れやすくケガのリスクも。動的ストレッチや軽めの体操を丁寧に行い、可動域を徐々に広げることが大切。
まとめ:フォームドリルを“動きづくりチェック”として活用
- 狙いを明確化:動作の目的を理解し、形だけにとらわれない。
- 動画やコーチの意見で微調整:自分の癖や課題を客観視すると修正が早い。
- スロードリル+ハイテンポドリル:初心者はゆっくり正確に、慣れてきたらスピードを上げて本番感覚を養う。
- リラックスと力の入れ所を意識:余分な力みを減らし、必要なところにエネルギーを集中。
フォームドリルは単なるウォーミングアップではなく、身体の使い方そのものを向上させる“動きづくり”です。適切な取り組みで走りや跳びの効率を高め、結果的に競技でのパフォーマンスを引き上げる大きな武器になるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、日々の練習でフォームドリルを“動きづくりチェック”として活用し、効果を倍増させてください!結果が出たら、走る楽しさ・跳ぶ喜びがさらに広がるはずです。
【新規選手募集中】
小学生から中・高生、社会人の方まで、「専門種目にフォーカスしてトレーニングしたい!」「運動能力を高めたい!」という方はぜひUACAへ。
ともに走力アップを目指しましょう!
また、UACA公式LINEでも最新情報を発信しておりますのでぜひ「友だち追加」よろしくお願いします。

UACA 質問コーナー開設中!
現在、UACAでは質問コーナーを開設中!
陸上に関する疑問やトレーニングについてなど、お気軽にご質問ください!
📝 ご注意
✅ ご質問内容は(基本的に)そのまま掲載 いたしますので、ご了承の上ご投稿ください。
✅ こちらではご要望には対応いたしません ので、ご理解のほどお願いいたします。
📩 質問方法