「雨だから練習を中止…」「雪が降って走るところがない…」など、天候の悪さが続くと、どうしてもモチベーションが下がりがちですよね。特に保護者の方は、子どもが体調を崩さないか、ケガのリスクはないかと心配になることでしょう。しかし、正しい装備や適切な練習内容を取り入れれば、雨や雪の日でも効率よく安全に競技力を高めることが可能です。ここでは、ウェア・シューズ選びから練習方法の工夫までを、保護者目線・選手目線の両方から解説していきます。
雨・雪の日に陸上競技を行うメリット
レース・大会を想定した実践練習
陸上競技の大会は、必ずしも天気の良い日に行われるわけではありません。実際に雨や雪のコンディションで練習しておくと、「試合当日が雨になっても対応しやすい」という大きなアドバンテージが得られます。
精神的な強さと集中力が育まれる
悪天候下の練習にはストレスがかかりますが、それを乗り越えることで粘り強さやメンタル面の成長につながります。「他選手が嫌がる環境でも自分は練習できる」という自信が、本番で差をつけるポイントに。
フォームや動作のチェック
ウェットな路面や冷気があると、普段より体を丁寧に動かさなければケガのリスクが高まります。結果的に、フォームの細部や体の使い方を見直す良い機会になることもあります。
雨・雪の日のウェアの選び方
重ね着の基本
ベースレイヤー(インナー): 吸汗速乾素材のシャツやタイツを着用し、汗を素早く外へ逃がす。
ミドルレイヤー: 保温性と通気性を兼ね備えたトレーナーやジャージなど。気温に応じて1枚~2枚。
アウター: 防水・防風性能があるウインドブレーカーやレインジャケットを重ねる。雨や雪を防ぎつつ、走りやすい軽量タイプを選ぶと快適。
保温する部位を意識
首・手首・足首(いわゆる“3首”)をしっかりカバーすると、体全体の冷えを防ぎやすい。ネックウォーマーや手袋、レッグウォーマーなどを利用すると保温効果アップ。
保護者の方は特に「子どもが寒い思いをしていないか」をこまめにチェック。雨で濡れて体温が下がっていないか、着替えを用意しておくと安心。
撥水・防水素材の活用
レインウェアや撥水加工のウインドブレーカーはマストアイテム。急な雨でもすぐ対応できるよう、常にバッグに入れておくと便利。
膝や肘など関節部位の縫い目に「シームシーリング」が施されているかもポイント。雨が染み込みにくい工夫のあるウェアが長持ちしやすい。
雨・雪の路面に適したシューズ選び
グリップ力を重視
• 雨の日はトラックやロードが滑りやすくなるため、**ゴム底のパターン(溝)**がしっかりついているシューズを選ぶ。
• 雪の日はさらに踏み固められた氷状の路面になることもあるため、スパイクではなくトレイル用シューズや【スタッド(突起)付きモデル】の利用も検討。
防水・撥水機能
透湿防水素材のシューズ(GORE-TEXなど)を選ぶと、雨や雪を防ぎつつ内部のムレを逃がしてくれる。
靴下が濡れると体温が一気に奪われるため、撥水性ソックスやシューズカバーを使うのも一手。
スパイクのメンテナンス
ウェットトラックでスパイクを使う場合、金属ピンが滑りやすくなるリスクに注意。ピンの摩耗具合をチェックし、雨用にやや短めのピンに交換するなど、状況に合わせて調整を。
練習方法の工夫
短時間集中メニュー
悪天候で体温を下げすぎないために、短いインターバルやダッシュドリルをメインに組むと効果的。
50m×数本の全力ダッシュ → レスト(休憩)を短めにして心拍数を保つ → 冷えを防ぎつつスピード練習が可能。
屋内や屋根下の活用
室内走路や体育館、屋根のあるスペースを見つけてドリルや体幹トレーニングを行う。
雪や大雨の日は走り込みよりもフォームチェックや補強に重点を置くメニューに切り替えるという選択肢もあり。
ビデオ分析とフォーム修正
雨や雪で本数がこなせないときは、代わりにビデオ撮影や動きの分析を重点的に行い、フォームを練る期間にする。
特にスタートフォームや跳躍助走など、技術的要素が強いパートは、映像を見ながら少ない本数でも質を上げられる。
保護者・選手が気を付けるポイント
体調管理とアフターケア
練習後は速やかに着替えをし、濡れたウェアやシューズを放置しない。
子どもは大人より体温調節が未熟なため、足先や手先が冷えていないか声かけを。帰宅後、温かい飲み物を摂り体温を戻すと回復が早い。
危険な路面で無理をしない
• 雪や氷で足元が凍結している場合は、転倒によるケガのリスクが高い。無理に外で走らず、室内トレーニングに切り替える柔軟性も持とう。
• 強風を伴う大雨・大雪時は安全を最優先し、練習を中止する判断も必要。
スケジュール調整
• 大会が近い時期に大雪が重なった場合は、平日の天候が良い日に短い練習を増やすなど、計画的なスケジュール調整を保護者と話し合いながら進めるのがおすすめ。
まとめ
1. 適切なウェア選び: レイヤリングで保温&防水を重視し、首手首足首をしっかりカバー
2. シューズの工夫: 雨や雪で滑る路面にはグリップ力のあるモデル、もしくは撥水・防水素材を活用
3. 練習メニューの切り替え: 短時間集中型や屋内ドリル、ビデオ分析を取り入れて練習の質を維持
4. 保護者の役割: 子どもの体調管理・着替え準備をサポートし、安全面を確保
雨や雪の悪天候は、一見すると陸上競技の大敵のように思えますが、適切な装備やメニューの工夫次第で大きくリスクを減らし、さらにはレース本番での雨天にも対応できる強みへと変えることができます。保護者の方が心配な場合でも、しっかり対策を知っておくことで安心して送り出せるでしょう。
これを機に、ぜひ雨の日・雪の日の練習を前向きに捉え、競技力アップとケガ予防を両立してみてください。
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