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【専門種目の技術向上①:短距離編】さらに深く学ぶスタート~トップスピードの極意

【専門種目の技術向上①:短距離編】さらに深く学ぶスタート~トップスピードの極意

スタートから加速、トップスピード維持、そしてトレーニングの具体例まで踏み込み、冬の時期に取り組むべきポイントを詳しく解説します。ぜひご活用ください。

短距離走では、スタートダッシュ、加速、トップスピード維持、フィニッシュの4つの局面に分けて考えることが多いです。

今回は各局面のポイントに加え、冬のオフシーズンに取り組みたい「専門的なトレーニング例」や「実践的アドバイス」を掘り下げて紹介します。

1. スタートダッシュ(ブロック~加速初期)

1-1. ブロックセッティングの重要性

ブロックの距離設定

ブロックとスタートラインの距離は、前脚・後脚の個性や股関節の可動域、脚力によって最適な配置が異なります。コーチや動画分析を活用し、しっくりくる設定を模索しましょう。

セミアスリートコースやアスリートコースでは選手の特性に合わせて選手に合ったスタート方法を教えております。

上体の角度と重心

スタートの際、上体が前傾しすぎる・浅すぎると十分なパワー伝達が得られません。

肩~腰~脚が一直線になるように意識し、地面を後方へ強く押し出す感覚を身につけることが大切です。

1-2. リアクションと初動の爆発力

リアクションタイム向上ドリル

スタートピストルやホイッスル、ビープ音に合わせて即座に動き出す練習を多用。

冬季練習中のうちから神経系を刺激しておくことで、本番での出遅れを防ぎます。

プライオメトリックス(反発力強化)

ボックスジャンプやホッピングなど、筋肉と腱の「弾性」を高めるメニューもスタートの爆発力を底上げします。

負荷量と回数を管理し、週2回程度を目安に計画的に取り入れましょう。

2. 加速

スタート直後~30m付近までを「加速区間」と捉え、いかに無駄なくトップスピードへ近づけるかが短距離の鍵です。

2-1. 前傾姿勢からの移行

段階的な上体起こし

スタート時の強い前傾を一気に起こしすぎると推進力が途切れ、逆に前傾しすぎるとストライドが伸びきらない。

20m前後までにゆるやかに上体を起こし、最大出力を引き出すイメージを持ちましょう。

指導する選手によっては20m前後という距離での上体の起こしの指導は行なっておりません。

2-2. 地面反発の効率化

“地面に力を加える時間”を最適化

短距離走では、“地面を強く押す”だけでなく、“短い接地時間の中で効率よく力を伝える”ことが大切。ドリルとして、スキップやバウンディングで「地面に足を接地してから離すまで」の感覚を研ぎ澄ませると良いです。

アームドライブの強化

上半身の腕振りは脚を連動させる大きな要素。

後ろへの腕振りにしっかり意識を置き、脚とのシンクロを図りましょう。

3. トップスピード維持

加速区間を抜けたあとの30〜60mで到達するのがトップスピード。そこから先、少しでもスピードを落とさないための「スピード持久力」がカギとなります。

3-1. フォームの安定

頭と背骨の軸を意識

頭が上下動しすぎるとエネルギーロスに繋がります。肩の力を抜き、首から腰までを一直線に保つよう意識しましょう。

リラックスのコツ

短距離は全力疾走ですが、過度な力みは逆効果顔や肩、腕をリラックスさせ、脚の回転を妨げないようにします。

3-2. スピード持久力を養う練習

レペティション走(120〜150m)

トップスピードに近いペースで120〜150mを数本行い、インターバルを長め(3~5分)に取る。フォームを崩さず最後まで走り切る質を重視。

テンポ走やインターバルトレーニング

60〜90%のサブマックス強度を繰り返す「テンポ走」は、心肺機能と乳酸耐性を鍛え、後半の垂れを防ぎます。

4. フィニッシュとメンタル

4-1. フィニッシュ動作

胸の突き出し

ゴール前で焦って体を倒しすぎるとバランスを崩す原因に。ゴールライン直前で上体をわずかに前に倒すだけでも、数センチの差を生み出すことがあります。

最後まで足を運ぶ意識

ゴールライン手前でスピードを落としてしまう「安堵」の癖を徹底排除。ゴールを5m先に設定する気持ちで駆け抜けましょう。

4-2. メンタル強化

イメージトレーニング

スタートからフィニッシュまで、理想的なフォームを頭の中で再生しながらイメージする習慣を。練習前や就寝前の数分でも大きな差が出ます。

レースの駆け引き

他選手に惑わされず、自分のリズムを守れるかが重要。普段のトレーニングから集中力を養うドリル(スタート合図のランダム化など)を取り入れると、本番で力を発揮しやすくなります。

5. 冬期トレーニングメニュー例

5-1. 一週間のサンプル構成


月曜日テンポ走(100m×10本) + ウエイト・コアトレーニング(スピード持久力と筋力強化・体幹安定)
火曜日プライオメトリクストレーニング + スタート練習(爆発力とリアクション強化)
水曜日レペティション走(120〜150m) + フィニッシュ練習(トップスピード&フォーム維持)
木曜日休養orアクティブリカバリー(軽いジョグ&ストレッチ)基本的に休息を推奨するが、疲労時に軽く体を動かすことで血流の改善を図り、疲労物質の排出を促す目的もあり
金曜日ウエイトトレーニング + ドリル(筋力強化とフォーム確認)
土曜日ビデオ撮影 + フォーム分析休日練習は平日練習と異なり時間をかけて練習することができるためフォーム分析または走り込む練習も可能
日曜日完全休養or軽い散歩などでリフレッシュ心身ともにリフレッシュする

※練習日誌や動画で、週間ごとに課題を洗い出す

※疲労度が高い場合は本数・負荷を落とし、ケガ予防を最優先

6. UACAで専門種目の技術を深めよう

UACAでは、短距離専門コーチが個々のレベルや目標に合わせて練習プランを作成します。

動画分析・動作解析:フォームの乱れや改善ポイントを可視化

種目別トレーニングメニュー提案:スピード、パワー、フォーム維持など目的別にアレンジ

個別のフィードバック:疑問や不安をその場で解決

冬のオフシーズンは、基礎体力と専門技術の両面を底上げする絶好のチャンス。スタートや加速、トップスピードの維持を徹底的に磨くことで、次のシーズンに大きく飛躍できます。

まとめ

1. スタートダッシュ:ブロックセッティングから上体の角度、初動の爆発力を高める

2. 加速フェーズ:前傾姿勢からの移行と地面反発を効率化

3. トップスピード維持:スピード持久力を鍛え、フォームを崩さず最後まで走り切る

4. フィニッシュワーク:ゴールラインでわずかな差を生む胸の突き出しとメンタルコントロールが重要

5. 冬期トレーニングの計画:ウエイト、プライオ、テンポ走、レペティション走の組合せでレベルアップ

短距離走は瞬発力・技術・メンタルが複雑に絡み合う奥深い種目ですが、各局面を正しく理解し、計画的に鍛えることで確実にタイムを縮められます。

UACAと一緒に、次のシーズンで自己ベストを更新するための土台を作りましょう!


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